文化三角地帯(Cultural Triangle)

文化三角地帯(Cultural triangle)
都市の魅力

スリランカの中でも特に歴史があり、重要な遺跡も多いのがこの文化三角地帯です。スリランカにある8つの世界遺産のうち、半分以上がこの地域内にあります。スリランカ観光の目玉ともいえる仏教遺跡観光をする上で、この地域は外せないでしょう。現在でも祈りの場として訪れる人の多い聖地で、宗教的な面からスリランカの魅力に触れ、文化や歴史をより深く知ることができます。

基本情報

スリランカのほぼ中央部にある、遺跡群が集中しているエリアです。アヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディという3都市を結ぶ三角形の内側に、シーギリヤやダンブッラ石窟寺院などといった世界的にも文化価値が認められている遺跡があります。文化三角地帯の中心地であるアヌラーダプラは、大都市コロンボから北東約200kmに位置しています。コロンボを始めとした各都市からバスが出ており、コロンボ市内のフォート駅からは鉄道も出ています。同じく中心地であるポロンナルワは、コロンボから北東約220kmに位置しています。コロンボからバスでは約5時間半、アヌラーダプラやキャンディからは約3時間~3時間半で訪れることができます。また、コロンボからは鉄道でも訪れることができます。シーギリヤは、コロンボから北東約180kmに位置しています。鉄道は通っていないので、バス又はツーリストカーを利用して行くことになります。キャンディから直行バスが1日1本出ているほか、近郊都市のダンブッラからも30分~1時間毎にバスが出ています。ダンブッラは、コロンボから北東約160kmに位置しています。キャンディとアヌラーダプラを繋ぐ道路上にあるので、長距離バスが頻繁に行き交っています。ポロンナルワやシーギリヤからのバスも多いので、各方面からも訪れやすい地となっています。どの地も観光スポットとなっていますが、仏教徒の訪れる聖地でもあります。過度に肌を露出した服を着ない、聖域内では脱帽・脱靴、写真撮影の際には仏像などに背を向けないなど、参拝時の最低限のルールを守るようにしましょう。

文化三角地帯の観光地

文化三角地帯の都市には、仏教の聖地や遺跡としての見どころが沢山あります。スリランカ最古の都アヌラーダプラには、スリランカ仏教の聖地と言われる由縁となったインド菩提樹の分け木や、天然岩で造られた精舎があります。10~12世紀に首都のあったポロンナルワの旧市街中心部には、当時の仏教の中心地となっていたクワドラングルがあります。シーギリヤにはシーギリヤ・ロック、ダンブッラにはダンブッラ石窟寺院と、特におすすめのスポットがある都市もありますが、アヌラーダプラやポロンナルワは遺跡がある地区が広いので、自転車や車などを借りて散策するという楽しみ方もおすすめです。

文化三角地帯の気候

アヌラーダプラのある北部は、平均気温が27~28℃で日中は30℃に上がることもあります。10~12月頃は雨季になるので大雨になります。また、4~5月も比較的雨が多いです。アヌラーダプラを訪れるには雨が少ない1~3月、6~8月がおすすめです。ポロンナルワとシーギリヤ、ダンブッラも1年を通じて暑く、日中は30℃を超す日も多いです。比較的雨の少ない1~3月、5~9月が観光のベストシーズンとされていますが、シーギリヤではシーギリヤ・ロックにいるスズメバチが雨季に発生しないので、雨季を狙っていくという方法もあります。遺跡見学や登山の際には、日焼け対策と水分補給を欠かさないようにしてください。ただし、仏教遺跡などでは脱帽が必須となるので注意が必要です。

アヌラーダプラ

アヌラーダプラは、スリランカ最古の都があった都市です。市内にある南北5km、東西2kmという広大な土地に集まる遺跡群は、遺跡地区と呼ばれています。時間に余裕を持って自転車でゆっくり観光するのがおすすめです。2000年以上続く菩提樹の分け木や世界最大の仏塔などもあり、仏教国スリランカの中でも聖地とされています。また、古代都市として世界遺産にも登録されています

スリー・マハー菩提樹

釈迦がその下で悟りを開いたとされるインド・ブッダガヤの菩提樹の分け木です。初代のブッダガヤの菩提樹は枯れてしまっているので、このアヌラーダプラの菩提樹が歴史的に最も古い樹となっています。菩提樹の周囲は、ゾウなどの野生動物から守るために、塀などで囲まれています。仏教の聖地として訪れる人は勿論ですが、仏教徒ではなくても樹齢2000年以上の樹には一見の価値があるでしょう。

◯料金:Rs.200

イスルムニヤ精舎

天然の岩を活用して造られたロック・テンプルとも呼ばれている寺院です。アヌラーダプラにある他の遺跡とは異なる雰囲気を味わうことができます。岩肌に彫られたゾウ、豊穣の神、火の神などの仏教彫刻や、本堂に横たわる色鮮やかな仏像、「恋人の像」と呼ばれるレリーフなどが有名です。また、寺院の裏側から岩の上に登ってみると、アヌラーダプラの町を一望できます。

◯料金:Rs.200 ※アヌラーダプラの遺跡入場券とは別に料金を支払うことになります

ルワンウェリ・サーヤ大塔

遺跡地区の中央にそびえる、白く巨大なダーガバです。高さが55mあり、アヌラーダプラ市内のどこからでも見ることが出来ます。今でも十分な高さなのですが、建設当時の紀元前2世紀には2倍の高さがあったとされています。多くの信者が訪れる聖地ですが、この都市のシンボルのような建物にもなっているので、アヌラーダプラ観光のメインの1つとなっています。この塔は白い服でお参りするのがルールとなっているので、黒い服や暗い色の服は避けるようにしましょう。

ポロンナルワ

ポロンナルワは、10~12世紀に2番目のシンハラ王朝が置かれた都市です。全盛期にはタイやミャンマーからも僧が訪れたほどの仏教都市として知られ、現在ではアジア有数の大遺跡群が残っている都市として知られています。都市は大きく旧市街、新市街、カドゥルウェラという繁華街の3つに分けられます。ポロンナルワはアヌラーダプラに次ぐスリランカ第2の古代都市として世界遺産にも登録されています。

遺跡入場券

◯開放時間:8:00~17:00
◯料金:Rs.3250(US$25)

クワドラングル

旧市街のほぼ中心部にある11の建造物が集まる遺跡群です。原形を留めていない建造物もありますが、一部は非常に良い状態で残っています。シンハラ王朝時代に仏歯寺があり、当時は仏教の中心地となっていました。現在でも仏教の聖地として多くの人が訪れています。入ってすぐに見える仏堂は、トゥーパーラーマです。クワドラングル内で最も古い建造物でありながら、最も良い状態で保存されています。クワドラングルの中で1番目を引くのが、円形の仏塔ワタダーゲです。インド様式の建築ですが、ムーンストーンやガードストーンといったスリランカ様式がはっきりとした形で残っています。最も北にあるのが、サトゥマハル・プラサーダという塔です。7階建てで、ピラミッドの様に階を重ねるごとに段々小さくなっていきます。タイにある寺院と類似しており、タイから来た建築士に建てられたとされているため、他のポロンナルワの建造物とは見た目が異なっています。

ランカティラカ

高さ17.5m、奥行き52m、幅18mあるポロンナルワ最大の寺院です。外壁や基壇部分など、様々な場所に状態の良い彫刻が残っています。寺院の中には、高さ13mの巨大な仏像があります。この仏像に頭部はありませんが、袈裟の裾の一部などは残っています。これらの高い建造物も見どころですが、寺院に通じる階段や寺院入り口のレリーフなど細部にまで施されている彫刻も見逃せません。

ガル・ヴィハーラ

ポロンナルワで1番有名な遺跡です。石像の中でも大傑作とされる涅槃像、立像、坐像が並んでいます。どの仏像も穏やかで美しい表情・姿態をしており、世界で最も美しい彫刻遺跡と言われています。最も左にある坐像は、瞑想中の釈迦の像で高さ4.6mです。隣には仏堂に入った坐像も置かれています。仏堂の右側にある高さ7mの立像は、悟りを開いた仏陀か、悲しみにくれる1番弟子のアーナンダという2つの説があります。一番右にある涅槃像は、全長14mとガル・ヴィハーラで最も大きな像となっています。衣のひだが二重の線で彫られており、ポロンナルワ独特の様式とされています。

シーギリヤ

シーギリヤには、スリランカで1番人気の観光地シーギリヤ・ロックがあります。ジャングルの中に突如現れる大きな岩は、遠くから見るだけでも目を見張るものがあります。父から王権を奪い、弟の復讐を恐れてこの岩の要塞に住んでいた狂気の王カーシャパ。彼が数十年住んでいた天空の城とも称されることのあるこの場所は、世界遺産に登録されています。

シーギリヤ博物館

2009年に日本のJICAが援助して建てた博物館です。周辺から出土した土器などの展示や、シーギリヤ・レディというフレスコ画のレプリカ、当時の頂上の宮殿跡を再現したビデオなどがあります。館内の見どころの1つにシーギリヤ遺跡のジオラマがあります。巨大なジオラマの上に強化ガラスがあり、シーギリヤ遺跡を上から俯瞰することができます。これにより、高所恐怖症などで実際には登れない方であっても楽しむことができます。

◯開館時間:8:30~17:30(最終入館17:00)
※毎月第1月曜日は休館
アシカのショー:16:00~
※ショーのない日もあります。
◯URL:http://sigiriyamuseum.com/
◯料金:Rs.650(US$5)
※シーギリヤ遺跡への入場券があれば無料

シーギリヤ・ロック

スリランカ観光のハイライトともいえる人気スポットです。頂上に辿り着くまでに、最低でも1時間は要する険しい道のりです。中腹ではシーギリヤ・レディという美女のフレスコ画や、ミラー・ウォールと呼ばれる回廊の壁を見ることができます。その中腹を登った先には、ライオンの足の形をした宮殿の入り口があります。現在は足のみですが以前は頭部などもあり、ライオンに飲み込まれるような形の入り口であったと推測されています。入口近くにはスズメバチの巣があり、ハチの発生加減によっては頂上まで登れない時もあります。ライオンの入り口を更に登って行ったところにある頂上には、かつて王宮や兵舎、住居、給水設備などがありました。ここに遷都したカーシャパ王は、弟を恐れながらこの高い岩の上で生活していたとされています。大理石で造られたという王宮そのものはありませんが、王宮の基礎部分とプールほどの大きさの貯水池が残っています。眼下には見渡す限りの大自然が広がっており、標高約370mから見る景色は我々の期待を裏切りません。

遺跡入場券

〇開放時間:7:00~17:00
〇料金:Rs.3900(US$30)

ダンブッラ

ダンブッラは、スリランカ最大の石窟寺院がある都市です。文化三角地帯のキャンディとアヌラーダプラを結ぶ幹線道路沿いにある小さな町で、旧市街にある石窟寺院以外はスリランカのごく普通の田舎町といった印象を与えます。寺院は紀元前1世紀にシンハラ王のワラガムバーフによって造られ、ポロンナルワ期、キャンディ期とその後も修復されていきました。今でもユネスコによる修復が続けられる一方で参拝に訪れる人も多い必見の地となっています。

ダンブッラの石窟寺院

スリランカで最も保存状態の良い石窟寺院で、世界遺産にも登録されています。石窟寺院は、主に5つの石窟を中心として構成されています。

第1窟 デーワ・ラージャ・ヴィハーラ

ダンブッラの石窟寺院内で最大の仏像である、約14mの涅槃像が横たわっている石窟です。窟内には涅槃像の他に5つの仏像と壁一面に描かれている壁画、ヒンドゥー教の神ヴィシュヌ像などがあります。仏陀と共にヴィシュヌが祀られていることから「神々の王の寺」を意味するデーワ・ラージャ・ヴィハーラと呼ばれています。スリランカでは仏像の足の裏を赤く染めるのが特徴となっているのですが、全身を黄金色に塗られたこの涅槃像も例外なく赤く染められています。また、足の裏は赤く染められているだけではなく、華やかな花模様も描かれています。

第2窟 マハー・ラージャ・ヴィハーラ

「偉大な王の寺」という意味を持つ第2窟は、ダンブッラ最大の洞窟となっています。幅約52m、奥行き約25m、高さは入り口付近が約6mで、奥に向かうにつれて低くなっていきます。偉大な王とはこの寺院を建てたワガラムバーフ王のことであり、窟内には彼の立像もあります。その他に56体の仏像もありますが、見どころは仏陀の生涯やスリランカの歴史が描かれた壁画となっています。また、ダンブッラという地名の由来となった「水の湧き出る岩」があるのもこの第2窟で、洞窟の中央部にある天井から湧き水が滴り落ちています。

第3窟 マハー・アルト・ヴィハーラ

「偉大な新しい寺」という意味を持つ第3窟は、18世紀後半にキルティ・スリ・ラージャーハーという王によって造られました。窟内には彼の等身大の像もあります。全長9mの寝仏をはじめとした57もの仏像があります。この第3窟も、壁や天井に絵が描かれています。第3窟をはじめ全ての窟で壁や天井に描かれた絵は、元の絵を修復することもありますが、全く別の絵を描いている場合もあります。そのため、最初のオリジナルはほとんど残っていないとされています。

第4窟 パッツィーマ・ヴィハーラ

「3人の王の寺」という意味を持つ第4窟です。西の神殿と呼ばれることもあります。第3窟までと比べると狭く感じられます。10体の仏像と仏塔が安置されており、キャンディ王朝の末期に作られた比較的新しい坐像が多いです。右側奥にあった仏像は、以前に観光客が仏像の手のひらに座り記念撮影をしてしまったため、法力が失われたということで色を新たに塗り直されました。寺院内の写真撮影及びフラッシュ撮影も可能とされていますが、撮影時のルールには十分注意をしてください。

第5窟 デワナ・アルト・ヴィハーラ

1915年に造られた、最も新しい石窟です。元々倉庫として使われていた場所を改装して建設されました。内部に涅槃像を始めとした多くの仏像が所狭しと安置されているため、洞窟内が少し狭く感じられます。

遺跡入場券

〇開放時間:7:00~18:00
〇料金:Rs.1500

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